文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/11/18(日)

義妹の赤ちゃん、つまりわたしの姪っ子にあたる女の子、汀ちゃんに会いに行く。小さくて、柔らかくて、決して落っことしたりしないようにと、緊張しながら抱っこした。まだ真っ黒な瞳には、多分ものがあまり見えていなくて、彼女はにおいや音や触覚でわたし…

2018/11/17(土)

ポストを開けると「パンカレンダー在中」と書かれた白い封筒が届いていて、「パンカレンダー」と思わず口に出し笑ってしまう。嬉しい響きだ。今年一緒に仕事をしたフォトグラファーさんからの贈り物なのだった。「お腹が空くカレンダー良かったら使ってくだ…

2018/11/16(金)

『経営者の孤独』の原稿を書いている。この原稿に限らないのだけど、いつも、原稿を書きあげるまで不安でたまらない。「本当に書けるのかな」と思う。連載をいくつか持っているが、そのどれもで毎回思う。前まで書けていてもそれは全然自信にならない。前は…

2018/11/15(木)

前からずっと言い続けているが、テープ起こしというのがすごく苦手だ。自分が話している内容を音声で聞くのはたまらないものがある。焦ってるなあとか、ここわかってないのにわかったふりしてるなあとか。でもたまに、「ああ、ちゃんと聞いてるな」と思うこ…

2018/11/14(水)

自転車を漕ぎながら、母のことを思う。もしも病院に行くのがもっと遅かったら、彼女は脳梗塞になっていたという。死ぬ瞬間というのは、どういう感じなのだろう。「ああ、死ぬのだな」ということがわかるものなのだろうか。それとも眠りにすごく近くて、眠る…

2018/11/13(火)

保育園から電話がかかってきて、次男が熱を出したという。迎えに行ったらぬいぐるみを抱いてぐずぐず泣いて、わたしを見ると「がっこー(だっこ)」と言って抱きついてきた。きのうの夜に四種混合のワクチンを打ったからその副作用かもしれない。連れて帰っ…

2018/11/12(月)

今朝は持久走をする夢を見た。女子は5周走らねばならないのだが、途中で自分が3周走ったのか4周走ったのかわからなくなるといういやな夢だった。やけになったように夜の商店街をすごく速く走った。途中でへばってもいいやというように。どうせ何周走ってるの…

2018/11/11(日)

昨日長野から東京へ車で帰る際、橋の上を通る道があった。紅葉がとてもきれいだったので、運転していた編集者が「ちょっと降りて歩いてみようか」と言って、道路の脇に車を停めてふたりで降りた。山と山との間を流れる川に架かったその橋はとても高いところ…

2018/11/09(金)-10(土)

きのうから今日にかけ長野の東御市に出張に行っていた。東京駅から車で3時間ほど。ドライブをしていると、人生って複数あるんだなと思う。窓の外するすると変わっていく景色を見ながら、「ここに住んだ自分」について考える。「ここに住んだ自分」の数だけ人…

2018/11/08(木)

4章の改稿をやっていて、これまで見えてこなかった問いがまたちょくちょくと出てきていて、今日だけでは書くのが追いつかなくて、「保留」をつくりながら前に進んで、ようやく最後までいった。最後までいっても、また戻らなくてはいけないのだけど、一度5章…

2018/11/07(水)

このあいだ編集者と話していて、作品づくりにはメタファーとして、木から像を彫りだす感じと、粘土から像をつくりだす感じがあって、前者は木の中にある像をそのまま外に出そうという無心な気持ちでやるけれど、後者は「もっと鼻を高くしてやろう」とか「目…

2018/11/06(火)

最近、夢を一晩に4つも5つも見る。ふと目が覚め、「こんな夢を見ていた」と思うことで眠っていたことを確認し、また眠り、また目が覚め、夢を見ていたことで眠っていたことを確認する。その繰り返しで朝が来る。このごろはとくにひどい。睡眠時間のうちに、…

2018/11/05(月)

大学や短大の取材をすることがちょこちょこある。教育について話を聞くのはおもしろい。このあいだ編集者が「僕が推測する土門さんの興味がある職業トップファイブ」と言って「経営者・編集者・料理人・教師・カメラマン」を挙げていたのだけど、本当に合っ…

2018/11/04(日)

舞台芸術集団VOGAの公演『直観と情熱』を観に行ってきた。これまでVOGAの作品はおろか、舞台芸術というものをほとんど観たことがなかったので、光と音の演出効果がこんなにも大きいものなんだなということに驚いた。光の当て方が変わるだけで、場所ががらり…

2018/11/03(土)

生まれて初めてチャーハンを作った。エビと、玉ねぎと、豆苗と、卵のチャーハン。炊きたてのご飯を使ったので、少しべちゃっとしてしまった。塩と醤油と胡椒で味付けをしたあと、味見をしたら全然味がしなかったので、鶏がらスープの素をいくらか入れた。長…

2018/11/02(金)

きれいな夢をあまり見ない。脳から出た膿のような夢をよく見る。

2018/11/1(木)

取材で名古屋へ。名古屋駅で電車を待っていたら、一緒に仕事をしているフォトグラファーの方に声をかけられ、お久しぶりですねと席に座る。わたしが取材をしているとき、彼が写真を撮っているわけだが、彼がどんなふうに動いているのかまったく記憶にない。…

2018/10/31(水)

深夜にふと目が覚めて、iPhoneを見たら編集者からメッセージが来ていた。「最近、日記の翌日更新をさぼっているね?」肝を冷やし、また布団をかぶる。読んでくれているんだな、と思う。この日記は誰も読んでいないと思っていた、なんとなく。このあいだ、義…

2018/10/30(火)

プールに週に一度通っている。自分でも、泳ぐのが少しうまくなったということがわかる。50メートルを一度泳ぐのがやっとだったけれど、今は1日に何度かそれを泳ぐことができる。プールに行くのが憂鬱だ。面倒臭い。でも、泳いだら楽しい。何事も始めるまでが…

2018/10/29(月)

四条烏丸のスターバックスで編集者と会う。長編小説『戦争と五人の女』の打ち合わせ。この打ち合わせが始まる前に、彼はmessengerで「エウレカ!」と叫んでいた。「エウレカ」とは何かな?と思い調べてみると、何かを発見したときに使われる感嘆詞であるらし…

2018/10/28(日)

映画『ハイフィデリティ』を観る。主人公のロブは恋人のローラに振られるわけだけど、その振られっぷりがすごくよかった。悲しくて悔しくて不可解でとてもじゃないけれど受け入れられなくて、それはもう無様に執着し、抗議し、逡巡し、怒り、泣く。その苦し…

2018/10/27(土)

ボロフェスタという音楽イベントへ行く。toeのライブが非常によかった。彼らを観ながら、人は音楽に何を求めているのだろうと思う。わたしは彼らに何を求めているのだろう。何を求めて、ステージの上を一所懸命見つめているのだろう。toeのライブは素晴らし…

2018/10/26(金)

「リアリティとは何だと思いますか?」という質問を受け、「そんなこと初めて考えたな」と思いながら「リアルであることとリアリティがあることは別だと思います」と答える。「リアルであっても自分ごとじゃないことってたくさんありますよね。遠くの国の紛…

2018/10/25(木)

あるテープ起こしをしている。それが非常に困難だ。こんなに「もう無理」と思ったテープ起こしは初めてかもしれない。やらねば、と思うのに、やりたくない、のほうが勝ち、結局20分ぶんしかできなかった。相手の方のせいではない。わたしの喋り方がいやなの…

2018/10/24(水)

今週まだ一度もプールに行っていない。全然行きたくなかったがジムの月額利用料のことと、座りっぱなしの自分のからだのことを思うと、行かなければならない気がした。行きたくない、と思うのは、狭いシャワールームで濡れた水着を脱ぐのが嫌いだからだ。わ…

2018/10/23(火)

『経営者の孤独』のコラムの改稿。今回は自分の孤独について書いている。自分のことについて書くのは難しい。インタビューと違い、自分の中から言葉を振り絞るのだから当然だ。わたしは自分の文章についてなにか印象を持っていないけれど、時折「静かな文章…

2018/10/22(月)

『経営者の孤独』の原稿を朝からがりがりと書く。書き終えると頭がくらくらした。力いっぱい出したなあ、という感じ。鏡を見ると顔がやせこけて見えた。最近また痩せたように思う。その分食べなくっちゃ、と思う。友人に、食べることが好きな人がいる。と言…

2018/10/20(土)-21(日)

完全に原稿に行き詰まった。書けなくなるのは怖いことだ。書くことに倦むことも怖いことだ。いったん文字を書くのをやめてみようと思った。断食のような、断書だ。それで、初めて鍼灸へ行った。子供がふたりいるという女の人が治療をしてくれた。おなかがす…

2018/10/19(金)

ある原稿を書いている。書いても書いても、ちがうなあと思う。これだというひもを握ることができない感じ。これだというひもは握るまで、これだということがわからない。それまではいろんなひもを握ってみたり、ちがう文章に触れたり、歩いたり、泳いだりが…

2018/10/18(木)

友人が家に来て、ご飯を作ってくれた。「わたしは性善説だから、ふところにすっと入って甘えるのが得意なんだよ」と言っていた。なるほど、と思った。性善説かあ。世界を信じるとは、性善説であるということなのかもしれないな、なんて。最近いろんなキーワ…