文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018年4月1日(日)

1日子守の日。長男と次男にそれぞれ靴を買ってやった。明日から新学期。長男は小学校にあがり、次男は1歳児クラスへと進級する。
長男は銀色のメタリックな靴を選んだ。わたしはアシックスやニューバランスなどもっとオーソドックスなものがよかったのだが、履くのは彼なのでそれを買ってやった。自分の一番欲しい靴を手に入れることができて彼はとても幸福そうだった。
「こっちのほうがかっこいいのに」
と言うと、
「ぼくはこっちのほうがいい」
と返す。
その姿勢はなくさないでいてほしいと思うなら、銀色だろうが金色だろうが、黙って買ってやるのが筋というものだろう。

絶対価値と相対価値について先日編集者と話した。
小説は絶対価値で書くものだと彼は言う。だから常に「土門蘭」であらねば書けない、と言う。
編集者はわたしに
「聞かれたくない質問は何?」
と訪ねた。
わたしはちょっと考える。そしてすぐに鳥肌をたてる。おぞましい。

だけどそれが、わたしが書くべきことなのだ。

小説を書くことは、自分の奥地へと入り込むこと。本質に触れること。だからやはり「お金と自分だけの部屋」が要るんだと思う。自分の奥にもっともっと入っていくためには、時間と集中力と体力が要る。