文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/04/10(火)

森へ行った。

森のなかで寝転び、空を見た。
案内をしてくださった方が言う。
「風がふくと、まるで水面を見上げているみたいなんです」

空には細かい網のように木が葉を広げていて、風がふくとそれらがゆらゆらと揺れてうつくしい藻のようだった。小さな虫がぱらぱらと、光を閉じ込めた気泡のように浮かんでいる。

わたしは息を吸って吐き、目を閉じる。
地面があたたかい。やわらかくて、背中から沈み込んでいく。