文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/04/18(木)

締め切り前になると、胃が痛くなる。自分の文章がいいのかどうかわからない、思うように書けていない、なかなか完成しないときなど、重いし痛い。
この痛み、重さは、文章を書かないと消えない。指先から文字として痛みが外に出ていっているのではないかと思うようなこともある。他の何者にも癒されない。お酒を飲んだって、遊んでたって、誰かと喋っていたってだめ。書くしかないのだ。

良い文章とは何だろう?
そんなことをずっと考えている。良い文章が書きたい。ああ、良い文章だ、としみじみ思うような。

朝からずっと書いていて、あっという間に夜になった。それでもまだわたしはこれを書いている。わたしのなかから生まれ出る言葉を汲み出すように。汲み出す体力が果てるのが先か、汲み出される言葉が尽きるのが先か。

子供ふたりに『ふたりはともだち』という絵本を読んでやった。
がまくんとかえるくんは、ふたりで手紙を待っている。
そして手紙を読んで、
「ああ、とてもいいてがみだ」
と言うのだ。
書かれているのは、とても短い、シンプルな言葉だけど、それが「とてもいいてがみ」なのは、求められている言葉ではなく、自分のなかの本当の気持ちをあらわした言葉が書かれているからだと思う。

そういうのが、わたしは書きたい。本当の言葉は、自分のなかにしかない。

明日はもっと、良い文章が書けますように。