文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/06/13(水)

長男が今日からプールだという。小学校に入り初めてのプール。朝から「たのしみやなあ」と何度も言っていた。もどかしそうに靴を急いで履くと、「いってきまーす!」と言って駆け出していった。
次男は今もまだ車が大好きで「ぶっぶーちゃん」と言って、長男を見送るあいだ、道路を走る車をじっと見て動かない。ぎゅっと力の入った小さな左手からわたしの右手に熱が伝わってくる。まっすぐな感情は、とてもきれいだ。

2章の続きを書いている。昨日は調べ物をしたり資料を見ながら書いていて、すごく時間がかかってしまったのだが、今日はもう何も調べないでとにかく書き進めた。自分の想像で構わない。いちばん書きたいことを書くことに時間を使おう。それはやっぱり、彼らの内面なのだった。
初稿を書く際、こんなふうに書いていたなと思う。編集者は「資料を見るのはあとでいい、まずは自分の中のものを出し切ろう」と言っていた。改稿でも新しく書かねばならないところが出てくる。そこは初稿とおんなじ気持ちで書くということなんだろう。

自分の気持ちに素直でいたい。正直でいたい。濁ると何も書けない。
「寂しさは武器だよ」
と編集者が言った。
寂しさが武器なら戦える。寂しさなら、いっぱい持ってるもの。

元気そうな声だ、と言われたのは、その武器を磨こうと思ったからかもしれない。武器は錆びたら使えなくなる。錆びないように、向き合って、磨くこと。

そしてまた、わたしはそれをきっとすぐ忘れるのだ。
だから思い出せるように、こうして書いておく。

がんばろう、明日も書こう。早く、完成した原稿を読んでもらえますように。