文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/07/03(火)

「ひとり」を感じる文章が好きだなと思う。

たいてい文章はひとりで書いているものだと思うが、ひとりじゃない、にぎやかな文章というののほうが多い気がする。不特定多数の他者が内面化された文章というのだろうか。

ときおり、ああ、この人はひとりぼっちで書いている、という文章に出会う。
わたしはそういう文章が本当に好きで、よくぞ書いてくれた、と思う。
そういう文章を読むと、ひとりでいいのだな、と思う。あるいは、ひとりとはいいものだな、と。
清らかで、静かで、私的で、ひそやかな。そして、緊張感のある。
そういう文章に出会えなかったら、わたしはとっくにどうにかなっていたように思う。


小説の五章の、第二稿を書き終わる。
これでいいのかどうか、わからない。でも、今のところは、こうとしか書けなかった。とにかく、今持っているものは、出し尽くしたように思う。

鏡を見ると、「自分はこんな顔だったか」と思った。自分が自分ではないように見える。