文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/07/06(金)

京都では大雨。JRが止まり、新幹線も1時間近く遅延していた。小学校は休校で、わたしは東京出張。様々なやりとりをし、なんとかひかりに乗る。のぞみはぱんぱんだった。

新幹線のなかで、小説の赤入れの続き。これを書いたのが自分なのかと思うと不思議な気持ち。自分から出たはずの言葉が、新しく意味を持ち有機的にうごめいている感じがする。この小説の良し悪しはやはりわたしにはわからない。頭に風景が浮かぶかどうか、その判断で進んでいく。

夕方近く、取材をした。「孤独」についてうかがう。何度か彼が指をひっかいた。わたしはそれを、自分と同じ癖だなと思った。

編集者と車で東京を移動する。東京タワーの真下で降りて見上げた。
「無駄がなくて美しいよね」と編集者が言った。
東京で彼は、のびのびと泳ぐように運転する。


今日はビールを飲みつつ、自分の嫌いなものについてずいぶん話して怒ってしまった。あらかた書き終えて、気が大きくなっているんだろう。みっともないと思う。

編集者は烏龍茶を飲みながら、楽しそうにわたしを見ていた。
「君が啖呵を切るのを見るのは好きだなあ」
と言う。


それでも、書いたものがすべてだ。