文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/08/01(水)

次男の夜泣きと長男の発熱のためゆうべはほぼ眠れなかった。
熱は下がったものの長男を休ませ、家で仕事をする。

編集者から、電話があった。今バンコクにいるという。彼はどこにでもとても気軽に行くように思う。人生の可動範囲が広いのだろう。わたしは京都を出るのすら億劫なので、なんだか彼のことが羨ましかった。バンコクってどんなところなんだろう。

雑誌掲載用の短編小説の文字数について話す。紙幅の都合により、7300文字を、6500文字までに削らねばならないと、クライアントさんから連絡があったのだ。
わたしは文字数をつい多く書いてしまうので、いつもあとから削ることになる。
編集者に「ここに書かれているのは、すべて必要だから書かれた文章なんだよね。だから、君にとっては刈り込むのではなく、書き直すと言ったほうがいいかもしれないね」と言われた。自分が書きすぎるのがよくないのだけど、大変さをわかってもらえて、とても嬉しかった。文字数を削るのは本当に難しい。
必要じゃないものは、なるべく書きたくないと、いつも思っているから。だから、文字数が多いのは、自分にとって書く必要がある事柄が多いからなのだ。

それでも、ないものをあるように書くよりはずっといい。
書くことがなかったら、「書くことがない」と書き、あとは沈黙していたい。
清潔な文章を書いていたい。いつも。そう願っている。

かぶとむしのめすの篭に、小さな羽虫のようなものが大量にわいてしまった。
長男と一緒に、外に持ち出して土を入れ替える。中に、小さな卵や幼虫がたくさんいた。虫が苦手なのでまったくやりたくなかったけれど、親っぽいことができて満足した。