文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/08/11(土)

朝、プールへ行く。先週からプールのあるジムに通い始めたのだ。
文章を書くのには体力がいる。体力がないと、身を削ることになる。身を削ると、やがて書けなくなる。それなので、体力をつけようと思ったのだ。編集者が「水に浮かぶのもいいよ」と言っていたので、プールにした。

会員証を出すと、受付のお兄さんが怪訝な顔をする。そして「あなたはデイタイム会員なので、土曜の午前は利用できない」という意味のことを言う。しかし、まだ入りたてということもあってか、結局今日だけ特別に入れてくれた。そそくさと更衣室に向かう。

ウォーキングとスイミングを、交互に行う。わたしはかなづちなので泳げないのだが、数名の方にアドバイスをもらったので、今日はそれを試してみた。

1.息継ぎをするときはうしろを見る
2.吐くときは鼻、吸うときは口
3.力を抜く
4.水と一体になる

4に関してはよくわからないと思っていたが、水を受け入れる感じ、あるいは水に受け入れられる感じを意識すると、気持ちよく進むことができた。すると、25m泳げて驚いた。1日目は10mしか泳げなかったのに。

往復しようと、着いた壁を蹴って復路を泳いでいたら、おじいさんに水上から肩を叩かれる。いわく「ここは一方通行やで」とのこと。慌ててコースから出る。
しかし25m泳げるのが嬉しくて、なんどもなんども泳ぐ。

それから更衣室に帰り、シャワーを浴びていたら、あがったときに女性に声をかけられた。「水がぽたぽた垂れて、床が濡れている」と言う。銭湯と同じ要領でからだを拭いたはずなのだが、そうか、水着から垂れていたのだなと理解し、謝る。今日は3回ミスをしてしまった。まわりのおばさまたちが「あるある、そういうことよくある」と言ってくれた。このようにして、わたしもこのジムの一員となるのだろう。


「プールのなにがそんなに楽しいの」と聞かれ、少し考えた。
「速く泳ごうと無理をすると、苦しくて速く泳げない。でも、自分のペースで無理なく泳ごうとすると、結果的に速く泳げる」
それがからだでわかるところ、と答えて、自分で「ふうん、なるほどな」と思った。