文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/10/17(水)

16日の晩、編集者と『経営者の孤独』の打ち合わせをした。ほとんどインタビューの形式で、わたしの思う「孤独」について、話をした。
話をしているうちに涙が出そうになってしまって困った。京阪三条スターバックス窓際の席で、夜の9時から行ったのだけど、真っ暗な窓の外には、ぽっかりと小さくファミリーマートの影がうつっていた。あんなところにファミリーマートがあったっけ? 今思うと不思議なのだが、そのときはなんだか「エドワード・ホッパーの絵みたいだな」と思った。数少ない、わたしの好きな画家だ。

それからなんだか、心がひどく敏感になっている。
晩に洗濯物をたたんでいたら、泣けて泣けてしかたない。声を出す元気もなく「なぜ泣いているのか」と聞かれても、考えることも「わからない」ということもできず、ただ首を振った。

一足早く二階へ行き、自分の本棚を見る。そして救いやら癒しを求めるように数冊漫画を手にとった。そのうちの一冊は昔からずっと変わらない。大島弓子の『つるばらつるばら』だ。

自然に生きているだけなのに、お父さんを困らせ、お母さんを泣かせ、級友を敬遠させ、大事な人を傷つける。そんな自分に悩みながらも、それでも「自分」として生きていこうとする主人公たち。

なんども死んで、なんども生き返って。
「そして僕は次の幕をあげることにした」

たくさんたくさん泣いて、電気を消して眠った。