文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/10/25(木)

あるテープ起こしをしている。それが非常に困難だ。こんなに「もう無理」と思ったテープ起こしは初めてかもしれない。やらねば、と思うのに、やりたくない、のほうが勝ち、結局20分ぶんしかできなかった。相手の方のせいではない。わたしの喋り方がいやなのである。緊張して、虚勢をはろうとしている、ように聞こえる。わからないけれど。わたしは自分の話している声を聞くのが嫌いだ。なんだかばかみたいだなと思う。ばかみたいな自分を受け入れられると、諦めの境地に立ってテープ起こしができるのだが、なんだかこの取材だけは無理だった。今のわたしの心境のせいもあるのかもしれない。10月はメンタルががたがたになりやすい。今月は自分のなかにある「自信」というものがチーズを削るようになくなっていったひと月だった。どうしてだろう。気温のせいだろうか。それとも、人にまったく会わないで毎日すっぴんにトレーナーだからだろうか。明日はおしゃれをしたい。しかしこの季節は苦手だ。春夏秋冬そう言っている気がする。ヨガマットに寝転び、ストレッチをした。昨日届いた新書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』がおもしろく、赤線をいくつか引いた。

羽生善治さんの言葉でこのようなものが引用されていた。
「正しい手を指すためにどうするかではなく、美しい手を指すことを目指せば、正しい手になるだろうと考えています」

美しくなりたい。美しくありたい。明日はちゃんと背筋を伸ばし、やるべきことをなし、あたたかなハートを持っていたい。