文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/10/28(日)

映画『ハイフィデリティ』を観る。主人公のロブは恋人のローラに振られるわけだけど、その振られっぷりがすごくよかった。悲しくて悔しくて不可解でとてもじゃないけれど受け入れられなくて、それはもう無様に執着し、抗議し、逡巡し、怒り、泣く。その苦しみっぷりがすごくよかった。こうでなくちゃと思う。それでいて、わたしもこうなんだと思う。それはあまり良いことではない。きれいに諦め、潔く去る、そんな女でいたいのに、わたしにはできない。みっともなく号泣して、胸をかきむしって、ぼろぼろになるまで苦しむ。

日常生活では「それはあまり良いことではない」けれど、映画の登場人物としてはそっちのほうがおもしろいなと思う。少し慰められた。