文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/12/06(木)

東京・台湾出張から帰ってきてから4日経つが、なんだかずっと調子が戻らない。なぜなのかと考えてみたところ、本を全く読んでいないからかもしれないと思いついた。いつもは夜眠る前にベッドに本を持ち込んで読んでいるのだけど、先週の金曜からそれをしていない。寝るまでずっと何か書いているか、ばつんといきなりスイッチが切れるように寝るか。M1グランプリは観たが(なんだかわたしは最近M1の話ばかりしている)、毎朝欠かさず観ていた連続テレビ小説まんぷく』も、出張をさかいにリアルタイムで観なくなった。リズムが崩れているのだな、と思い、昼ごはん中に録画していた『まんぷく』を観た。とてもおもしろく、なんだか元気が出た。明日からはリアルタイムで観られるまでには追いついた。多分、大事なのだ、この習慣が。新しい物語に新しい状態で触れる感じが。ああ頑張ろうって思う。新しい作品は、まるで作られたばかりのできたてほやほやの和定食みたいに、わたしを元気にする。そして夜眠る前の読書習慣もやっぱり大事だったのだ。人の書いた文章は、わたしの書いた文章とリズムが違う。そのリズムが混じり合う感じが、多分わたしにはすごく刺激になっていた。

日記を書こうとすると、このごろはなんだか、すかすかの何も泳いでいない水槽のなかで手をかき回すような気分だった。水槽のなかで生き物が減っていっていた感じ。魚を増やし肥えさせるには、新鮮なプランクトンや水をきれいに保つ新しい波が必要なんだと思う。よく肥えた魚や、きらっと腹の光る魚を、びちびちっと両手で掴む感覚。またあれを、感じられますように。

それがわかってよかったな。今夜は積み重なっている本から一冊選んで、布団のなかで読んでから、寝よう。