文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/12/10(月)

洗濯物を畳みながらテレビを観ていたら、遠い国でスーパーマーケットを経営している日本人男性が取材を受けていた。彼が自分の来し方を語っているのだが、仕事が続かなかったり、派遣切りにあったり、店を開店したものの交通事故に遭って閉店せざるを得なくなったり、騙されて一文なしになったり、いろいろと不運が続いたようだった。
その番組を観ていたら、昔読んだ本のなかで寺山修司が「私は、運の悪い女がきらいである。なぜなら、運のわるい女は美しくないからである」と書いているのを読んだことがあるのを思い出した。それで、運というのはどうしたらよくなるのかなとぼんやり考えながら洗濯物を畳み続けた。

寺山修司の言葉を逆にするなら「美しい女は運がいい」ということになるのではないか。それでは美しくあれば運というのはつくのだろうか。美しい装いをし、美しい部屋に住み、美しい所作、言葉遣いをとる。

すぐにできそうなのは整理整頓かなぁと思いながら洗濯物をおさめ、ふとスマートフォンを開くと、Chim↑Pomのエリイさんが「ストレスはどんなときに感じて、どうやって解消しますか?」とSNSで聞かれていた。エリイさんは運が良さそうだと思う女性のひとりで、どんなことを答えているのかなと興味深く読んだ。
「日常生活ほぼ全てに感じる 寝たり起きたりする事 人とかかわったりする事 しかしそれをしないと喜びもないし 唯一食事はストレス感じないかも」

そして最後に「自分のルールの“清潔”を行いまめに解消する」と書かれてあった。


「自分のルールの“清潔”」
わたしはそれについて考えを巡らせる。
それってどういうことだろう。たとえば、たとえば……。
わたしはそれを「美意識」と置き換えてみても構わないだろうかと考えた。