文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/12/31(月)

昔から長期休暇やイベントごとなど、非日常というものが全部苦手だが、特に年末年始が苦手だ。一番非日常を感じるからだろうか。長男は妙に浮かれて夜更かしなどしているが、次男は年末年始も関係なくいつも通り過ごしている。次男を見ているとなんだかほっとする。これを書いたら一緒に寝るつもりだ。

今日は午後ひとりになる時間ができたので、家で小説を書いた。まずは目標としていたところまで書き進めることができ、ようやく仕事納めというものができたように感じた。

きのう自分が今年書いたものをまとめたのだが、そのうちのひとつの短編小説『夜の港のわたしたち』を今日は読み返してみた。ずいぶん久しぶりに読み返したので、「こんなことを自分は書いていたのか」と驚いた。読みながらふと、涙を流してしまった。

今でも自分は、夜の海をのぞきこんで、くらくらする感覚を楽しむ癖があるように思う。だけどそんな自分に、この小説を書いた頃のわたしがこう言う。

「もうそがいなことしんさんな」
「船に乗ったらどこでも行けるじゃろう」

 
今から次男を抱っこして寝室へ行き、ベッドに入る。きのう洗ったばかりのいい匂いのするシーツの中で、いつものように本を読もう。

よくがんばった。おやすみなさい。