文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/01/01(火)

お正月になると、今年の抱負について考える。2018年は「無理しない」で、2017年は「愛する」だったということは覚えている。2017年は愛することを習得できなかったし、2018年はやっぱり無理した。ことごとく破れているわけだが、抱負を掲げることは悪いことではないと思うので、毎年懲りずに掲げている。

それで今年は何だろうと考えていたのだが、ちょっと言葉が出てこなかった。「力を抜く」のような「楽しむ」のような「手放す」のような「息を吐く」のような「カジュアル」のような。でもどれも少しずれていて、ぴったりという感じがしなかった。つまりいまのわたしはがっちがちに力が入ってしまっていて、それが心配なのだった。

力が入っていると、なかなか文章が書けない。「いいものを書こう」と思うと書けないけれど、力を抜いて「なんでも書いていいんだな」と、諦めるような、手放すような気持ちになると、なぜだかわくわくしてきて、書ける。そういう感じって何だろうと思って、ずっと考えていた。

それで本を読んでいたら
「寛容とユーモア」
という言葉が目に入ってきた。
ああ、これいいな、と思って、わたしの今年の抱負にすることにした。

「寛容とユーモア」。
それって「許す」に近いかもしれないなと唐突に思って、そうか、わたしは許したかったのか、と気づいた。多分、わたしはわたしを許したかったのだ。


「なにせうぞくすんで一期は夢よただ狂へ」

「遊びをせむとや生まれけむ戯れせむとや生まれけむ遊ぶ子供の声聞けば我が身さへこそゆるがるれ」