文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/02/10(日)

『すいません、ほぼ日の経営。』を読んでいる。

「難しいことをやるから給料がもらえていると、みんなが思っています。でも、難しいことに直面する大変さそのものは、本当のところなにも稼いでいません」

というところに「そうなんだよなあ」と思わず声を出した。
こういうテーマで書きます、こういうことを考えていますと言っても、一文字も書かなければ「稼いで」いることにはならない。
ここでいう「稼ぐ」とは、お金をもらうということよりも(もちろんそれもあるが)、作品をつくるとか、読んでもらう状態にするとか、社会と繋がるとか、そういう感じだ。

「そこではなく、おもしろくて、考えれば考えるほどおもしろくなって、みんなのよろこぶものになっていく。それが稼ぎを生むんです」

みんなのよろこびになって初めて稼ぎを生む。
わたしに当てはめれば、自分の考えたことや感じたことがちゃんと文字になって、原稿になって、みんなに読まれて「おもしろかった」とか「よかった」とか思ってもらえて、初めて稼ぎを生む。
そこまでの道のりは険しいし、しんどいし、ときどき「もう無理なんじゃないか」と思うけれど、それでもその道を歩ききったときに笑って迎えてくれる人がいて、小さくハイタッチなんかして、座ってお茶を飲んだり、おだんごを食べたりするのだ。
そういうとき、歩いてこないとこんな喜びは感じられなかったんだよなあと思う。


きのう友達と話していて、こんな話になった。
「責任のあるしんどいことに挑戦するからこそ、そこでしか得られない大きな喜びがあったりするやんか」
彼はそういうことを話していて、わたしは「わかるよ」と言った。

「太りたくないから好きなもの食べない、よりも、好きなもの食べたいから運動する、のほうが、人生が広がる気がするよね」

通じるかな?と思ったら「そうそう!」とわかってもらえたようなので、嬉しかった。