文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/03/03(日)

永遠というものは主観的なものなのかもしれない。いつ死んでしまうかわからないちっぽけな存在が信じる永遠だけが永遠なんじゃないだろうか。

わたしはひとりひとりの人間の主観がひとりひとりの世界をつくるとしかやっぱり思えないのだ。たぶんわたしが、自分の主観しか書けない、とても近眼的な人間だからだと思う。

そういえば学生のころ、母に「もしわたしが死んだら骨は墓に入れず海にまいて」と言ったことがある。母は縁起悪いこと言うなと怒ったし、友人にはそれは法律で禁じられてるよとたしなめられた。わたしは頼む人を間違えたと思った。

だけど、だれに頼めばよかったのだろう?

あのときわたしは「わかった、必ずそうする」と言ってもらえたらそれでよかったのだ。死んだら海にいけるんだと、思えるだけでほんとによかった。それがわたしなりの永遠だったから。