文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/04/02(火)

編集者と長電話をする。話していたら自分の中から毒気が抜けていくような気がした。気分が塞ぎそうになったら、塞ぐ前に連絡してと言う。多分、塞いでいた穴を彼との会話でまた空けてもらったんだろう。世界は広いんだな、と思う。電話で話しているだけでもそう思うのだから、きっと世界は本当に広いんだろう。

昼頃、昨日書いた文章を頭から書き直した。お店紹介のコラムだ。気分の穴がまた空くと、自分の好きな文章が書けた。まるでビルの大群の隙間から、光る空が見えたみたいだった。

午後は小説の改稿をした。数日前に改稿をした原稿だが、もう一度読み返してみたら、以前よりもずっと良くなっていることに気づいた。
「なんだ、がんばってたんじゃないか」
と、数日前の自分にたいして思う。

赤字をこつこつ入れていたら、不意に涙が出た。
登場人物が愛おしくてしかたなくなった。

わたしはこれが書けて本当によかったと、心から思う。