文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/04/07(日)

2組の友達夫妻とお花見をした。桜が咲くたびにさみしくなるのは、居場所がないような気持ちになるからなのかなと思っていたけれど、そういうわけでもなさそうだ。お花見をしても、さみしいもんはさみしい。でもきれいなもんはきれいだ。もしかしたら、誰よりも桜を愛しているのはわたしなのかもしれない。

エロスとタナトス。愛と死。わたしはそのどちらへもの希求が激しいのかもしれないなと思う。振り子が大きく振れるように。エロスがあるからタナトスがあり、タナトスがあるからエロスがあるならば、タナトスだけが特別悪いというわけでもないのだと思う。ただ、それに呑まれずにいられるかどうか。

数年前、桜を食べたことがあった。あまりにもきれいで、驚いてしまって、思わず花に食いついたのだ。桜は、緑くさい味がした。ほんの少しだけ甘かった。
やっぱりわたしは桜を愛しているのかもしれない。愛と死は簡単に裏返る。