文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/05/11(土)

これ本当に書けるのかよ、という原稿と向き合うのはこれが初めてではない。何度かそういう原稿と向き合ううちに、時間をかければ書けることを学んだ。だから書けない原稿はない(遅れる原稿はあるかもしれないが)。そして、原稿は書いたら最後、誰にも書けない、わたしにしか書けない唯一無二のものなのだ。そこまでたどり着けたら満点。いい原稿だったら120点。読者に何か残せたら200点。読者に何か残そうとか思うから書けなくなる。とにかく完成させることだ。あとは編集者が一緒にがんばってくれる。そう思えることはきっと幸せなんだろう。切り捨てられない、という安心感。書き手には、すごく大事なものだと思う。いや、作り手には。あとがないという状態は、健康によくない。そんなやり方はすぐに、だめになってしまうから。

そんなわけで、「これ本当に書けるのかよ」週間は続く。いつも思っているから、年間か。でもそういう原稿こそ、書けたときには本当に嬉しい。心臓には悪いけれど、大丈夫。書けば書ける。やれば終わる。そうでしょう?