文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/05/19(日)

自分と世界をどう捉えるかで、1日の気分がずいぶん変わってくる。

ずっと以前に、人の性格は「ソリッド的」か「リキッド的」かにわかれる、という話をしたことがあるが、そのうち、「人はソリッド的でありリキッド的なのかもしれない」という話になった。
つまり、そのときどきで、自分という核を溶かしたり固めたりしている。外的要因でそうなることもあるし、内的要因でそうなることもある。

最近そのことを思い出し、わたしは「ソリッド的」に寄りすぎていて、だから傷ついたり磨耗することが多かったのかもしれないなという仮説を立てた。世界の中に「固形」としての自分をつくりあげると、良い意味でも悪い意味でも摩擦が多くなる。意識的に「液体」としての自分をつくることができるのか?というのが、最近の考え事のテーマだった。

まわりに溶ける感じをイメージすると、なんとなく、気持ちが楽になる。世界と対峙するのではなく、同一化する感じ。世界は自分の延長線上にあるので、議論したり批評したりする場ではない。それよりももっと、「暑いねえ」「ほんとだねえ」「もう夏だねえ」「早いねえ」と、まるで共鳴する蛙みたいに、ぶつぶつとつぶやきあう感じ。
それはそれですてきだなと思う。

武士のようにひたすらに剣を交わし合うみたいなコミュニケーションもいいけれど、蛙のように声を混ぜ合うみたいなコミュニケーションもいい。その両方ができるようになりたい。