2019/07/04(金)
有栖川駅へ取材へ行く。毎月、嵐電沿線の各駅の街をまわってエッセイを書くこの連載を始めてから、月に一度は必ず見知らぬ土地に身を置くことになった。ここに住んだらどんな気分だろうということを毎回想像する。
自分は本当に容量が少ない人間だと思う。体力も、考える力も、覚える力も、とても限られている。覚えなくても大丈夫な人の名前はいつまで経っても覚えない。覚えていなくてはいけない人の名前すら忘れるのだから、そこに充てる余力がないのだ。
そんな自分は放っておくと同じ場所で同じ行動を繰り返すネズミみたいな生活をしがちだ。それはそれで安心するのでいいのだけど、このように刺激をもらう機会があると、それはそれで意味があるなと思う。ただ、やはり帰ってくるとすごくほっとする。