文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/07/22(月)

数年ぶりに、自分のために花を買った。花屋さんに入り、「自宅用なんですけど」とおどおどしながら話す。「はい」と店員さんがショーウィンドウの前に立つが、花屋さんって値段が書いていないことが多くて、どの花が一輪いくらなのかよくわからない。時価なんだろうか。「千円くらいで何本かお願いできますか」と言うと、店員さんは困ったような顔をした。それはそうだろうなと思い、「慣れていないもので」と白状する。

昔、社会人1,2年目の頃、花を買う習慣があった。駅にある花屋さんは、どの花が一輪いくらなのか明記していて、「ガーベラって安いんだな」とか、「ダリアって高いんだな」とかいうのを、この花屋さんで学んだように思う。いつの間にか、わたしは花を買わなくなっていた。枯れていくのを見るのが悲しく、それならないほうがましだと思うようになった。いつからか、なぜか。

ガーベラとダリア以外の値段がわからないので、思い切って、きれいだと思う花を指差し「これとこれをください」と言った。きれいだと思った花はダリアの一種で、一輪400円だった。どうもわたしはダリアに目が行くらしい。ダリアを2本、ポンポン菊を1本買う。

帰り道、花を切るハサミがないことに気づき、ホームセンターに買いに行く。手持ちの瑠璃色の花瓶に活けた。とてもきれいだ。