文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/09/05(木)

だいぶ気分はましになった。やはりなにごとも素直、正直がいちばんだなと思う。自分の体調や気分を抑え込むと、ろくなことがない。あとから自分に報復されてしまう。

今日は昼に1時間、お茶をしに行った。左京区の茶房にある女性が来られていて、1時間弱無言で相対し、中国茶を淹れてくれる。わたしはお茶にはまったく詳しくなく、その女性とも初対面であったが、最初は緊張していたものの、徐々に心がほぐれてきた。冷房のかかっていない日本家屋、開け放した窓から、庭をなぞって風が入ってくる。虫の音も聴こえた。ああ、わたしは、旅をしているなと思った。

こどものころの、言葉のなかったあの感じ。ずっときらきら光る川面を眺めたり、もくもくした雲を見つめたり、風に目を細めたり。
あのときのことを少し思い出しました、と最後に伝えると、彼女は「よかった」と静かに言って笑った。