文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/10/20(土)-21(日)

完全に原稿に行き詰まった。書けなくなるのは怖いことだ。書くことに倦むことも怖いことだ。いったん文字を書くのをやめてみようと思った。断食のような、断書だ。

それで、初めて鍼灸へ行った。子供がふたりいるという女の人が治療をしてくれた。おなかがすごく硬いということ、緊張でこわばっており、交感神経が優位になっているようだということを言われた。頭に鍼が刺されるのはとてもこわかったが、終わったらその日はいつもよりも眠りが深かった。

日曜は午前に長男をプールへ連れていき、午後に兄弟を公園に連れていった。
プールの見学のときも、公園でボールを蹴り返しているときも「どういうふうに書こう」とずっと頭の中にある。ひもを引っ張ってみる、これでもない、あれでもない。

ベッドのなかで、誰に見せるでもない文章を書いた。書きたいことを書けばいいのだと、自分に言い聞かせるため。
そのまま眠りにつき、夢の中でも、締め切りがせまる原稿の冒頭文をいくつか書いて「ああでもない」「こうでもない」と悩んでいた。

目が覚めてものすごい疲れを感じた。
まだ原稿も書いていないのに、と絶望的な気持ちになる。

コーヒーを飲んで原稿に向かう。
ああ、やっぱり、書いているほうが落ち着く。書けるのはうれしい。

なんでもいい、書こう。書いてから、考えよう。
書くものぜんぶ、正解だ。