文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2017-01-01から1年間の記事一覧

紙の上に生息している小さな生き物

文鳥社の初めての本、『100年後あなたもわたしもいない日に』ができて、1ヶ月が経った。初刷分はすべてわたしの手元からなくなり、今は二刷目を届けている。奥付を見ると、それぞれの年月日。それから、この本に携わった人々の氏名。最後にはこういった一文…

燃やしきってしまえばすっきり気持ちがいいのです

柳下さんと出会ってすぐ、「これ、僕が作ったんです」と本をもらった(その頃はまだ敬語で話していた)。その本は『きっといい日になりますように』という寺田マユミさんの本で、線画で描かれた絵に、ときどき手書きで書かれた文字が添えられている。描かれ…

文鳥が歌を学ぶ生き物だから

わたしたちの出版社を「文鳥社」と名付けたのは、文鳥が歌を学ぶ生き物だから。 「文鳥のオスは、歌をうたってメスに求愛する。その歌が複雑であれば複雑であるほど、メスを惹きつけるそうだ。時折、歌が複雑になりすぎるオスがいるのだという。その歌は、も…

この空白を「未来」と呼ぶならば

会社にしようと決めてから、いろいろな書類を用意した。 申請書類のほかにも、住民票とか印鑑登録証明証とか戸籍謄本とかいろいろ必要だったので、全部、一個一個揃えていった。 わたしはそういう、書類を揃えるということがとても苦手だ。 法務局の方に懇切…

本は僕らより長生きするからな

文鳥社を立ち上げてすぐ、荒神橋のすぐそばの郵便局で、ゆうちょ銀行の口座を作った。 局員さんが、真新しい通帳を持って「文鳥社様」と呼ぶ。 窓口に向かいながら、この感じは何だったけなぁと思う。 それで、息子を産んだときに似ていると思った。生まれた…

ただいま(おかえり)

一昨日、二条城の近くのゲストハウス、マガザンにてトークイベントを行った。実に僕らの初舞台。これで晴れて、公だ。大いに自棄ってわけじゃあないよ。まったくもって、うれしいね。終わってから、客席にいてくれた馴染みに、「どうだった?」と聞くと、「…

マガザン×文鳥社「2018 本特集」公開編集会議を終えて

二条城の近くに、マガザンキョウトという場所がある。 「泊まれる雑誌」というコンセプトで、特集ごとに空間が変わっていくホテルだ。 立ち上げたのは岩崎達也くんという、わたしと同い年の青年で、出会ったときには会社員をしながら雑貨屋さんをやっていた…

文鳥社宣言

言葉はいつも、こだまのようだ。それは、口から出たものか指先から出たものかに依らず、発すれば、いつまでもいつまでも反射を繰り返して、僕らの想像の及ばないところまで、遠く遠く届いていく。そして、長かったり短かったりの時を経て、やがてまた、自分…

文鳥社とわたし

「文鳥社」という出版レーベルを立ち上げた。立ち上げたと言っても、「やろう」と決めただけで、まだほとんど何もしていない。でもともかく、出版をすることを決め、「文鳥社」という名前をつけた。そのことがわたしにはすごく大きな事件で、自分の人生に「…