文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2018/10/31(水)

深夜にふと目が覚めて、iPhoneを見たら編集者からメッセージが来ていた。「最近、日記の翌日更新をさぼっているね?」肝を冷やし、また布団をかぶる。読んでくれているんだな、と思う。この日記は誰も読んでいないと思っていた、なんとなく。このあいだ、義…

2018/10/30(火)

プールに週に一度通っている。自分でも、泳ぐのが少しうまくなったということがわかる。50メートルを一度泳ぐのがやっとだったけれど、今は1日に何度かそれを泳ぐことができる。プールに行くのが憂鬱だ。面倒臭い。でも、泳いだら楽しい。何事も始めるまでが…

2018/10/29(月)

四条烏丸のスターバックスで編集者と会う。長編小説『戦争と五人の女』の打ち合わせ。この打ち合わせが始まる前に、彼はmessengerで「エウレカ!」と叫んでいた。「エウレカ」とは何かな?と思い調べてみると、何かを発見したときに使われる感嘆詞であるらし…

2018/10/28(日)

映画『ハイフィデリティ』を観る。主人公のロブは恋人のローラに振られるわけだけど、その振られっぷりがすごくよかった。悲しくて悔しくて不可解でとてもじゃないけれど受け入れられなくて、それはもう無様に執着し、抗議し、逡巡し、怒り、泣く。その苦し…

2018/10/27(土)

ボロフェスタという音楽イベントへ行く。toeのライブが非常によかった。彼らを観ながら、人は音楽に何を求めているのだろうと思う。わたしは彼らに何を求めているのだろう。何を求めて、ステージの上を一所懸命見つめているのだろう。toeのライブは素晴らし…

2018/10/26(金)

「リアリティとは何だと思いますか?」という質問を受け、「そんなこと初めて考えたな」と思いながら「リアルであることとリアリティがあることは別だと思います」と答える。「リアルであっても自分ごとじゃないことってたくさんありますよね。遠くの国の紛…

2018/10/25(木)

あるテープ起こしをしている。それが非常に困難だ。こんなに「もう無理」と思ったテープ起こしは初めてかもしれない。やらねば、と思うのに、やりたくない、のほうが勝ち、結局20分ぶんしかできなかった。相手の方のせいではない。わたしの喋り方がいやなの…

2018/10/24(水)

今週まだ一度もプールに行っていない。全然行きたくなかったがジムの月額利用料のことと、座りっぱなしの自分のからだのことを思うと、行かなければならない気がした。行きたくない、と思うのは、狭いシャワールームで濡れた水着を脱ぐのが嫌いだからだ。わ…

2018/10/23(火)

『経営者の孤独』のコラムの改稿。今回は自分の孤独について書いている。自分のことについて書くのは難しい。インタビューと違い、自分の中から言葉を振り絞るのだから当然だ。わたしは自分の文章についてなにか印象を持っていないけれど、時折「静かな文章…

2018/10/22(月)

『経営者の孤独』の原稿を朝からがりがりと書く。書き終えると頭がくらくらした。力いっぱい出したなあ、という感じ。鏡を見ると顔がやせこけて見えた。最近また痩せたように思う。その分食べなくっちゃ、と思う。友人に、食べることが好きな人がいる。と言…

2018/10/20(土)-21(日)

完全に原稿に行き詰まった。書けなくなるのは怖いことだ。書くことに倦むことも怖いことだ。いったん文字を書くのをやめてみようと思った。断食のような、断書だ。それで、初めて鍼灸へ行った。子供がふたりいるという女の人が治療をしてくれた。おなかがす…

2018/10/19(金)

ある原稿を書いている。書いても書いても、ちがうなあと思う。これだというひもを握ることができない感じ。これだというひもは握るまで、これだということがわからない。それまではいろんなひもを握ってみたり、ちがう文章に触れたり、歩いたり、泳いだりが…

2018/10/18(木)

友人が家に来て、ご飯を作ってくれた。「わたしは性善説だから、ふところにすっと入って甘えるのが得意なんだよ」と言っていた。なるほど、と思った。性善説かあ。世界を信じるとは、性善説であるということなのかもしれないな、なんて。最近いろんなキーワ…

2018/10/17(水)

16日の晩、編集者と『経営者の孤独』の打ち合わせをした。ほとんどインタビューの形式で、わたしの思う「孤独」について、話をした。話をしているうちに涙が出そうになってしまって困った。京阪三条のスターバックス窓際の席で、夜の9時から行ったのだけど、…

2018/10/16(火)

朝がたに友人の、昼がたに義妹の、出産報告を受ける。どちらも女の子で、どちらも写真をLINEで送ってもらった。とても、とても、かわいい。見ていると、ふわあっとにおいが漂ってくるようだった。乳の、血の、あったかいにおい。生まれたての女の子には、贈…

2018/10/15(月)

午前に編集者と電話をする。フェミニズムの話、フォトグラファーの話、コンプレックスの話。

2018/10/14(日)

頭が痛むので日中は家におり、夜になってから10年来のデザイナーの友人と飲みに行く。彼女は言った。「たとえば友達が死んだとしても、大事な人がいなくなったとしても、きっとわたしは『そういうこともあるよな』って思う。悲しいけれど、受け入れるしかな…

2018/10/13(土)

10月は毎年メンタルが弱まる気がする。なぜかというと、イベントが多いからだ。今年は運動会が3つ、お祭りが1つあった。まだ児童館フェスというのが残っている。文化祭や運動会が苦手である。楽しまくてはいけないという、貧乏性の悪癖が出るからだろうか。…

2018/10/12(金)

朝、アイロンをかけながらふと思う。このアイロンは誰のためにかけているんだろう?今日は午前中に自宅に税理士さんが来る予定だ。だから彼の目に気持ちよく映るよう、というのと、彼から「だらしない」と思われぬよう、というのと、自分と彼の両方に対して…

2018/10/11(木)

昨日行った嵐山のことを記事にする。写真がじょうずに撮れるようになりたいな、と思った。わたしの写真は味気がないように思う。やはり、カメラマンというプロがいるということはそういうことなのだ。素人が簡単に撮れないからプロが存在する。このあいだ、…

2018/10/10(水)

取材で嵐山に行く。ひとりで雨の中、嵐山の中を歩く。インクのなくなっていた万年筆。自分でインクを入れることができなくて、誰かにやってもらおうとインクを持ち歩いていたのだが、結局誰にも頼むことができなかった。それで自分で調べて補充してみたのだ…

2018/10/09(火)

晴れていた。狼はそばにまだいて話しかけると返してくれる。わたしの中、というよりはわたしの隣に座っている感じだ、いつも。何を言っているのだと言われそうで、誰にも言っていない。逃避だとか妄想だとか思われるんじゃないかと。そういう話も、狼は黙っ…

2018/10/08(月・祝)

編集者に久しぶりに会った。「君はあいかわらず世界からはみ出して感じがするね」と彼が言った。「最近、疎外感をよく覚えるよ」と言うと、「『よるすべるてんかふん』の頃からずっとそうじゃないか」と言う。『よるすべるてんかふん』というのは、わたしが1…

2018/10/07(日)

頭の中に一匹の狼がいて、その子がわたしに話しかけてくるのだ。いや、わたしが話しかけているのかもしれない。つまり会話をしている。彼(狼はオスである)はわたしの友達でもなく、恋人でもなく、家族でもない。彼とわたしの関係性については何なのか、ま…

2018/10/06(土)

自転車に乗り、川端通を北上する。雨上がりの空気は澄んでいて涼しく、わたしはこの道を走りたくて京都にいるのだと思う。つい10年前まで住んでいた場所の前を通る。たまにここを通るのだが、ここの前を通るたびに、わたしにも過去があるのだと実感する。一…

2018/10/05(金)

プールに週に2回の頻度で通うようにしている。ご年配の方が多く、明らかにわたしが最年少だ。みんな仲良さそうに話しており、ウォーキングコースはしゃべり場と化しているのだが、わたしは黙々と歩き続ける。頭の中で歌をうたってみたりしながら。平気そうな…

2018/10/04(木)

デザイナー中屋辰平さんをインタビューした記事を書き、その確認のやりとりをしている。デザイナーの方にここまで長いインタビューをするのはもしかしたら初めてかもしれない。仲のよいデザイナーさんがこの間話していたことと同じことを中屋さんも話してい…

2018/10/03(水)

打ち合わせで四条に行く用事があったので、約束前に四条烏丸の大垣書店へ寄る。そこで平野啓一郎の『私とは何か 「個人」から「分人」へ』という新書を買った。今朝、長野のわざわざというお店の代表取締役である平田さんの記事を読んでいたら、この本のこと…

2018/10/02(火)

感情のコントロールがうまくできない。できた試しがない。たいていひんやりと落ち込むほうだが、時折爆発することがある。そういうときは自分を「ヒステリー女だ」と思う。頭のなかでそういう声がする。その声にわたしは傷つきながら、怒りながら、そしてそ…

2018/10/01(月)

昨晩映画『下妻物語』を観て大変感動した。高校生のとき図書館で日本文学「た」の棚にいつも寄っていたのを思い出した。あの頃わたしは嶽本野ばらさんと田口ランディさんの本を読み漁っていた。ふたりに共通するのは「自分が自分として生きていくには」とい…