文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2018/06/29(金)

この二日間ずっと頭が痛かったのだけど、今日朝から大雨が降り、雨が流れるとともに頭痛も治っていった。気圧の低下によるものだったのだと思う。年々、気圧の影響がひどくなっていっている。スリランカと韓国というテーマで短編小説を頼まれていたのを書き…

2018/06/28(木)

頭痛がひどい。肩こりと腰痛もずっとあるので、昔よく行っていた接骨院に行ってきた。とても上手だった先生はいなくなっていて、違う男性が施術をしてくれた。大きな手だなと背中で感じながら、少しうつらうつらした。彼はわたしの体が、波状に歪んでいると…

2018/06/27(水)

だめな日だった。一日中家にいて書いていたけれど、なかなか言葉が出てこない。ガソリンが足りていないというよりも、エンジンがまわらない感じだった。昼、食パンにきゅうりを挟んで食べようとしたら、両方とも傷んでいたので捨てる。ふと見ると、かぼちゃ…

2018/06/26(火)

長男がもらってきたかぶとむしの幼虫が、きのう一匹、そして今日また一匹、成虫になった。わたしは虫を育てたことがないので、幼虫は多分成虫にならないまま死ぬのだろうと思っていた。なんとなく。だから、成虫になったときには、思いがけず嬉しかった。長…

2018/06/25(月)

先日、東京に行ったとき、中央線の電車に乗った。電車のなかで編集者に「嫌いなものってある?」と聞いたら、彼は「あるよ」と言った。「なに?」「美意識のないもの」確か以前、彼に同じ質問をしたときには、彼は「嫌いなものはない」と答えたのだ。嫌いな…

2018/06/24(日)

文章には書くひとの内面が滲み出る。それはにおいのようなもので、読んでいるとふわっと文字から漂う。そのにおいで、わたしはその文章を好きか嫌いか、読むべきか読まざるべきか、直感的に判断しているところがある。自分の文章についてもそうで、書いたそ…

インタビューについて

「あなたはインタビューをするときに、声の出し方に気をつけているでしょう」25歳くらいのときに、インタビュイーの方からそう言われたことがある。彼は詩人で、わたしよりも50ほど年上の方だった。雨の日の夜に訪れたわたしのために、とてもおいしい紅茶を…

2018/06/22(金)

インタビューの翌日は、抜け殻のようになっている。ゆうべも新幹線のなかでぼんやりしていて切符をなくすし、携帯電話の充電は切らすし、日記の更新もすっかり頭から抜けていた。毎日書くようになって以降、忘れるなんてことは初めてだった(眠たさに負けて…

2018/06/21(木)

東京に、日帰りで。取材で「孤独」についての話をする。「孤独」とは何なのか。ひとりひとりと、それを確かめていきたい。帰りは「美意識」の話。そして、輪廻何回めかの話。はじめて、そろそろ君は人間をあがる、と言われた。終電で京都に帰る。切符をなく…

2018/06/20(水)

ものを書いているときまったく音楽を聴かないのだけど、1日に数十分、隣の家からフルートの音がする。わたしの母と同い年くらいの女性が吹いていて、彼女はわたしたち親子にとてもよくしてくれる。「うるさいでしょう? へたくそな音で」と言うけれど、全然…

2018/06/19(火)

ゆうべ、ベッドに横たわっていたら二度地震があった。不思議なもので、揺れる直前にふと目が覚める。そうすると、まもなくごごごと小さな低い音がして、それから家がみしみし揺れ始める。子供たちは起きなかった。まだ起きていた夫が寝室のドアを開けて覗き…

2018/06/18(月)

朝8時、みしみしっという音がして、そのあとぐらぐらと床が揺れた。「地震だ」と思い、子供たちをダイニングテーブルの下に引っ張り込む。長男は表情をこわばらせ、次男はうわーんと火がついたように泣き出した。大丈夫大丈夫、とわたしは彼らの頭を抱えて繰…

2018/06/17(日)

ひとけのない博物館で、長男がかばんをずっと持ってくれた。わたしは次男をだっこして、三人で石や虫の標本を見た。いつかこの日を思い出すのだろう、と思った。

2018/06/16(土)

長男がわたしといると不安になるのだと言い出して、その言葉が非常にこたえた。わたしと家に残るのが不安で寂しいのだという。全然遊んでくれないからと。それで、用事で家を空ける予定だった夫が長男と次男を連れて、実家に預けると言った。長男は家を出る…

2018/06/15(金)

美しいとはどういう状態のことなのだろう。ふと頭に浮かんだのが、小公女セーラが屋根裏部屋で、辛さのあまり人形のエミリーを投げつけて、はっと我に返り、抱え上げるところだった。彼女は「ひどいことをしてしまってごめんなさい、エミリー」と謝り、涙を…

2018/06/14(木)

書いている最中、小説ってなんなんだろう、といつも思う。今自分は何をしているんだ? 何がどうなったらゴールなんだ?それはまったくわからない。書いたものが、徐々に「小説」のようなものになっていく。そしてそれを、「小説」へと近づけるために頭をひね…

2018/06/13(水)

長男が今日からプールだという。小学校に入り初めてのプール。朝から「たのしみやなあ」と何度も言っていた。もどかしそうに靴を急いで履くと、「いってきまーす!」と言って駆け出していった。次男は今もまだ車が大好きで「ぶっぶーちゃん」と言って、長男…

2018/06/12(火)

家で朝から書いていて、昼頃ふと外に出た。自転車に乗り、走る。走りながら、急激に「寂しい」と思った。この寂しさを他人で埋めようとすると、埋まるわけがないからもっと寂しい。きっとそれは自分でしか埋められないし、そもそも埋まらないのかもしれない…

2018/06/11(月)

雨が降ったり、止んだりの天気。自転車で街中のスターバックスへ向かう。「土門蘭が土門蘭でいること」それが大事なんだと、編集者はいつも言う。「これで321回目だよ」321回言われても、わたしはいつも忘れてしまう。それでも何度も言ってくれて、ありがと…

2018/06/10(日)

久しぶりにひとりで散歩をした。郵便物をポストに入れ、それから遠回りをして帰った。雨が少しのあいだだけ止まっているような曇り空のなかを、化粧もしていない顔で歩く。車の窓に映った自分が子供じみているようにも年老いているようにも見える。この一年…

2018/06/09(土)

腰が痛むので二条にある接骨院へ自転車で向かったが、外で並ぶほどの盛況ぶりで、すぐに諦めてその近くの喫茶チロルへ行く。コーヒーを飲みながら、若松英輔の『生きていくうえで、かけがえのないこと』を読み終わる。とてもとても良い本だった。読み終わる…

2018/06/08(金)

長男の熱下がらず。寂しがってひとりでベッドで眠っていられないので、ベッドで小説を書く。気圧の低下がひどくて頭痛がすごい。痛みに涙が出た。夕方から徐々にマシになってきた。小児科の帰り、薬局で処方箋を出したら「子供さんの体重は?」と聞かれた。…

2018/06/07(木)

ずっと頭が痛く、肩のあたりが麻痺している感じ。ぐるぐるまわすと、なにかがぷつぷつ切れるような音がする。第2章の改稿中、予想していたのの倍くらい難航している。一度最後まで直しながら書ききって、もう一度肉付けが必要だと思う。削りたくない、という…

2018/06/06(水)

長男が朝ごはんを食べないと言う。なんだか気持ち悪いと。 きらいなものがお皿に乗っているとき、彼はそんなふうに言うことがある。今回も仮病だと思い、わたしは内心うんざりして食卓から下げた。そして、のろのろと動く彼に早く着替えなさいと叱った。 そ…

2018/06/05(火)

最近よく、夜に映画を観ている。この間は『ブラックスワン』を観た。わたしは映画を観るとき前情報を取り入れないので、てっきりタイトルとモチーフからヒューマンドラマだと思っていたのがサイコホラーでびっくりした。痛そうなシーンがたくさんあって、そ…

2018/06/04(月)

朝、大学生のときに2年間住んでいたアパートへ。 先日ここの一階でカフェをされてる方から連絡があり、「100年後あなたもわたしもいない日に」を届けに行ったのだ。 わたしが学生だったときにはカフェはなかった。ただの暗くてひんやりしたエントランスで、…

2018/06/03(日)

長男の日曜参観後、町内の懇親会へ。 疲れ切って夕方横になっていたが次男が泣きやまなくて参った。 やっと泣き止んだので少しだけ眠り、起きてから短歌を4首詠む。とても久しぶりに詠んだ。そのうちのひとつが好きだなと思った。 かなしいことや辛いことが…

2018/06/02(土)

16時頃まで臥せっていた。今日は気圧が低く、からだが重たい。次男がずっと泣いていて、臥せっていてもまったく眠れなかった。あやしても、水を飲ませても、おやつを食べさせようとしてもだめで、お手上げだった。そのあとふとこのままでは良くないと思い、…

2018/06/01(金)

1歳の次男が今日もまだ熱が下がっていなかったので、保育園を休ませる。 長男も次男も鼻水がたまるとすぐに中耳炎になって熱を出してしまう。 耳鼻科で鼻を吸われるととても嫌がり大きな声で泣く。短い足が、お医者さんをげしげし蹴ろうとする。お医者さんは…