文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/11/15(木)

前からずっと言い続けているが、テープ起こしというのがすごく苦手だ。自分が話している内容を音声で聞くのはたまらないものがある。焦ってるなあとか、ここわかってないのにわかったふりしてるなあとか。でもたまに、「ああ、ちゃんと聞いてるな」と思うこともある。書くときに絶対「ここ、なんでもっと聞かなかったんだろう」と思うなと、未来のわたしを慮って、捨て身で聞いている自分がいる。そういう自分のことは嫌いじゃないし、「よくやったじゃん」と少し思う。

2時間のインタビューを起こすのにその3倍の時間はかかる。つまり6時間。しかも、ずっと集中していないといけないので、かなりエネルギーを使う。聞き流しては正確に起こせないし、正確に起こせないと相手ではなく自分の言葉になってしまう。それがいちばんよくない。停止ボタンを押し、再生ボタンを押す。いつも、えいや、という気持ちだ。また自分のあのおかしな物言いを聞かねばならないけれど、それでもえいや、と。だってそこには、相手の方の言葉があるから。そっちを正確に文字としてつかまえるほうが、大事だから。

再生ボタンを押したあとに、「ああ、この言葉が聞けてよかったな」と思うときがある。そういうときは本当に嬉しいし、救われる。書けそうだ、とうずうずする。

やっと終わった。予定より1日遅れ。いつもわたしの見積は甘い。
これはどんな記事になるのだろう。