2018/12/12(水)
『100年後あなたもわたしもいない日に』を初めて仕入れてくれた本屋さんは、大阪緑地公園にあるblackbird booksさんという。今日そのお店の店主さんが、SNSで本の写真をあげて
「もう400冊くらい?手に取って頂いたかな。
年末年始用に追加しました。
引き続きどうぞ宜しくお願い致します」
とコメントをつけてくださっていた。それを読んで「400冊!」と驚き、改めて自分たちの作った本を取り出し、頭から読んだ。
読みながら、まるで自分が書いたものじゃないみたいだ、と思う。
いい本だな、と思った。すごくすごくいい本だ、と。
それをつくったのは、マユミさんであり、敬子さんであり、柳下さんであり、自分だけど、まるでその自分は自分じゃないみたいだった。まぎれもなく自分であることはわかっているのに。
そして、少し過去の自分のことをいいなと思い、もう二度とこのような短歌は詠めないのだなと思った。すでに詠んでいるのだからもう詠まなくていいのだけど、なんだかそれはさみしい感覚だった。
同じでいられ続けることはできないから変わり続けるしかなくて、また、そのときつくれるものを、精一杯つくるしかない。そしてそれでいいしそれがいい。わたしは新しい自分が書いたものを読みたい。
いい本だ、これは。
これが作れて、本当に本当によかった。
少し過去の自分が他人になって、わたしに寄り添ってくれているような、そんな気分だった。