2018/05/03(木)
次男を膝に乗せて原稿を書いていて、わたしがキーボードを打つ手を止めると、次男がわたしの手を掴んでキーボードに乗せようとしてくる。かちゃかちゃ鳴るのが楽しいらしくて「やめるな」という。
わたしは、「はい」と答えてキーボードを無理やり叩く。止めるとまた、手を掴まれる。キーボードを叩けという。わたしは笑って、また叩く。
編集者が、連絡をくれた。きのうわたしが、書き出しで悩んでいるとこの日記で書いたからだ。
「一番象徴するシーンはあるかな?」
「それが書き出しになるかもしれない」
「一番じゃなくてもいいから、シーンを思い出すといいよ。君のビジュアルは文章になるから」
次男がとにかくキーボードを叩けという。それはないものを出せと言っているんじゃなくて、あるものを出せと言っているのだ、わたしの心の中にあるもの。
シンプルでいい、配慮もいらない、格好もついていなくていい。とにかく、中にあるシーンを。
書け、と言ってくれてありがとう。
わたしは次男の後頭部に顔をうずめる。