文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/03/30(土)

次男といっしょに髪を切ってもらった。月に一度は美容院に来ている。まわりから見たら何も変わってないと思うけれど、切らないと気が済まない。

美容師さんが、次男が話すのを見て、「朔ちゃんは、わざとらしさがないですね」と言った。みんながつい耳を傾けたくなるような声です、と。

「そうですか?」

「こういうのは、生まれ持ったものです。自分を守ろうとする気がないんだな。だから、わざとらしさがないし、人の耳を引く」

それを聞きながら、そういう人って確かにいるなと思った。自分を守ろうとしないひと。

朔太郎は、マッシュルームカットになった。

真面目な顔で、じっと鏡を見つめていた。