文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/05/04(木)

行きつけの喫茶店が昨日今日と休みなので、違うチェーンの喫茶店で書く。

ここには愛想もやる気もない女性店員さんがいて、彼女がわたしに笑顔を向けたことがない。今日はなかなかモーニングが出てこないというおじさん3人に「もうすぐお持ちします」とにこりともぺこりともせずに無表情で言い放った。おじさんたちは小さな声でぶつぶつ文句を言っていた。おそらく聴こえているのだろうけれど、顔色ひとつ変えない彼女。わたしに対しても冷たいけれど、なんだかいいなと思う。


書いているものがつまらない、と思うときがある。

わたしは幼い頃、小さくてぼろぼろの長屋に住んでいた。
ひとり、畳の上に寝そべって、宙をみる。昼下りに窓から光が差し込んでくると、埃がキラキラして見えた。あのときの、感じ。

あのときの感じで書いていたい。
ひとりで、自由で、私的な、それでも世界と確かに細いひもでつながっているような、あのときの感じで。