文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/08/24(金)

なんだか書けないという日があって、そういうときはどういうときかと言うと、その文章が「仕事っぽく」なるときなのだ。誰かの求めるものを書こうとする感じ。
それは人のために書くなんて「いや」とか「めんどう」とかではなくて、むしろ萎縮してしまうのだ。気に入られたくて、褒められたくて、いい子ぶろうとしてしまう。つまり、主語を明け渡してしまう。読者に。

そうなるととたんにわたしの中の読者が「つまらない」と言い出す。とても大きな声で。そして「もっと自分のために書けよ」と言うのだ。そういうのが読みたいんだよって。じゃないとお前が書く意味がないと。

わたしは文章を書くことに自由を見出した。
ここでなら、好きなことを好きなようにできるんだって、ある日思った。
そこでは誰の目を気にすることもしなくていい。わたしはわたしのために書けばいい。

だからわたしは、ずっと書き続けてきたんじゃないか。
そこを失ってはいけない。
決していけない。