文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2019/05/05(日)

『違国日記』を読んだ。主人公の槙生と同じような言動をわたしもよくとっているので、読みながら驚いてしまった。「ディズニーやスキーやバーゲンに絶対来なかったよね」と言われたり(わたしもディズニーやスキーやバーゲンには行かなかった。待ち時間があったり集団行動をするのが苦手なのだと思う)、「宵っ張りだね」と言って「宵っ張りって何?」と聞かれたり、仕事に夢中になると平気で「今は黙って」と言ってしまったり、高校時代よく寝坊以外で遅刻をしていたり、人見知りだったり、人といると一切仕事ができなくなったり、事務作業が苦手だったり、矢継ぎ早に質問されると恐怖を感じたり。

「普通はこうでしょ」とか「変わってるよね」とか言われることが多かった。
おもしろがってくれるのならいいけれど、そうじゃないときは辛かったように思う。「ごめん」と謝るのもおかしいし、「そうか」と言うしかなかった。怒るのも悲しむのも違うような気がした。ただ少し残念だな、と思った。こいつは違う、と、切り捨てられたような感じがして。そしてそれは、お互い様なのだ。

わたしは話をするのが好き。お互いの「普通」について、自国の文化を語り合うように、話せたらいいなって思う。いつかそっちに遊びに行ってみたいな、なんて言い合えたら、もうそれだけで幸福だ。