文鳥社の日記

京都の出版レーベル・文鳥社の日記です。

2018/07/05(木)

目がさめると3時半で、開け放していた窓から大雨が部屋の中に振り込んでいた。
前日、ベッドで文章を書いていて、MacBookAirを床に置いた記憶があったので、さっと血の気が引く。見たら眠る前にちゃんと棚の上に置き直したらしい。本当にほっとした。今後絶対に床に置くことはしないでおこう。

考えてみれば、このMacがこれまででいちばん文章を書いたパソコンだ。
Macにもしも心があるとしたら、わたしはどのように映っているのだろう。
おそらくとても醜いだろうなあと思う。
多分この世の誰よりも、どの物よりも、このMacにわたしは醜い顔を見せている。
たまには、良い顔を見せるかもしれないけれど。

小説をプリントアウトしようとしたら、プリンタが壊れた。
最初インクがなくなったのだと思い、歩いて近所のホームセンターに買いに行ったのだが、取り替えてもうんともすんとも言わない。結局、近所のコンビニエンスストアネットプリントなるものを利用し出力した。

初めて新人賞に応募した小説は、職場近くの漫画喫茶で出力したなと思い出す。
あれは6月30日だった。消印有効の、締め切りの日だったのだ。諦めようとしたが、諦めてはだめなような気がして、夜間までやっている郵便局に持ち込んだ。消印が押されることを確認し、手を合わせて拝んだ。
あの頃は、神社でよく願い事をしていた。それはもう熱心に。
今はほとんどしない。日頃のお礼をするだけだ。そして、「これからもがんばります」と言うだけ。

小説を読み返し、赤字を入れていく。
もう何度も読んだ小説なので、覚えてしまっている。だから、書き換えたばかりの箇所は新鮮な気持ちで読む。
良いのか悪いのか、自分ではわからない。ただ、こういう人がいて、こういう時間を過ごしたのだと、思えたならそれで良いような気がする。
ちくちくと、赤字を入れる。気になるところは鉛筆で注意を入れた。

大雨が降っている。
鴨川にたくさんの水や泥が集まって、どうどうと音をたてていた。


きょうは3時半に起きて以降眠れなくなってしまった。
眠れないとき、自分のなかだけで時間がずいぶん早くすぎているような気がする。